小雨降る中、オットの確定申告に付き合ってたらんたらんと税務署まで。相当距離があるので、片道分歩かせて帰りはバギーにむん子を放り込めば母娘ともども一日分の運動量が稼げるわ、と思い、雨合羽着せて長靴履かせて出かけたんですが。てっきり小やみになると思っていた雨が徐々に思いの外強くなって来たので、そのまま近くの駅に。直接出社する、というオットと一緒に電車に乗って、最寄り駅まで2駅・・・のつもりだったんですが、「どうせ折角電車に乗ったんだから」とついつい新宿まで行ってしまう事にしてしまいまして(一度乗ったら、降りるのが億劫になったという話もある)。
元々、長らく行っていないコンランショップパークハイアットのデリを覗いてみたい、とここしばらくずっと考えていたので、まあいいチャンスかな、と思って出かけてみたのは良いのですが。いや、意外と遠いよね駅から、パークタワーって。あんなに歩いたっけ?むん子はバギーに乗っかって呑気にお昼寝したりなんかしていたんですが、傘さしつつレインカバーでかさばるバギーを操ってとぼとぼと歩く私は、なかなかに惨めな感じ。ようやく辿りついた時には既に精も魂も尽き果てており、コンランショップを優雅に散策どころか、デリでちょこちょこお買い物するのが精一杯でございました。何せ、バギー転がしてるとエレベーターを待つのが面倒でねえ。
パークハイアットに行きたかったのは、『おいしくてかわいい』に掲載されているポークリエットとレバーペースト(の瓶)が欲しかったから。容器も可愛らしかったし、そもそもレバーが大好きな私は、「ああ、あれを買いたい、あれを食べてみたい」とずっと思っていたんですね。で、どうせ来たんだからせめてこれだけでも買って帰らなくちゃ、とお店に入ったんですが。うーん・・・。
確かに、元々はちょっと徒歩で出かける程度のつもりで外出したので、風体もかなりナニでしたし。しかも、雨に濡れつつベビーカー転がして来たので、相当惨めな状態でしたし。でも、まるで見えぬものの様に店員に無視されまくると、もう哀しくてねえ。
で、「もし、申し訳ありませぬがそこのお嬢様」とばかりにかなり卑屈モードで店員さんに注文をした処、
「ポークリエットは現在無地の瓶しかございませんが」
と。えええええ、そうなの?私ゃあのぶたのおしり(ポークリエットの白い器には、するするっと鉛筆で描いたような実に可愛らしいぶたのおしりがプリントしてある)が欲しくてわざわざここまで来たと言うのに・・・。しかし、この機を逃すとまたいつ来る事が出来るか判らないので(大げさだな)仕方なく、ぶたのおしりを諦めて、無地瓶でもかまいませんから私に一つ分けて下さいな、ええええ御代はお払いしますので、と。レバーペースト(こっちはチキンなのでにわとりが描いてある)、シュリンプポット(勿論コレには海老。しかし、にわとりとぶた程には可愛くない)も一緒にオーダーして、しょぼしょぼとその場を後にしたのでありました。ちなみに、ラインナップにはもう一つ、鴨のリエットもあったんですが、それは瓶に描いてあるイラストがあまりにも可愛くなかったので購入せず。うはは。
で、どうしようかなあ、コンランショップ見て行こうかなあ、と悩みつつふとジーンズのポケットに手を入れようとしたら、何故か鋭い痛みが。たまたま今日に限って、いつも履いているものとは違うジーンズを着用していたんですが、普段の心積もりでポケットに手をやったところ、今日のジーンズはポケットにジッパーがついているタイプのもので・・・何と、ジッパーの金具で、思いっきり人差し指の爪と肉との間を切り裂いてしまったんですよ!
思わぬ大流血でうろたえる私。ああ、どうしようどうしよう、何とかしなきゃと指をくわえてベビーカー押しながらとりあえず玄関方面に向かった処、なんとそこにタイミング良く新宿駅行きのバスが停まっているではありませんか。うわ、そのバス乗る!乗せてー!
後から考えれば、ホテルも入っているビルなんですから、どこかで薬局なりコンビニなりを探して止血すれば良かっただけの話なんですが。何せ雨の子連れで疲弊してるしデリで切ない目には遭ってるしで、半ば思考停止状態の私。急いでバス停に走り寄り、ぜいぜい言いながらむん子をバギーから降ろしてバギー畳んで(当然この手順であちこちに血痕を)、何とかバスに乗り込んだのでありました。
バスの中ではおじさんから軽くご親切を受けつつ、むん子を大人しくさせるのに汗まみれに。それでなくとも雨の日のバスの湿度ってのはエラい事なのに、またこのバスが非常に混んでまして。で、人差し指も気になるしむん子も気になるし、バギーは邪魔だしおまけに陶器瓶入りのリエットは重いし(また3つも買っちゃったし)で、もう汗だくだくですわ。ようやく新宿駅西口に着いた頃には、完全に疲労困憊で全身から(誇張ではなく)湯気立ててた次第でございます。
雨の中、再度むん子をバギーに放り込んで上からレインカバーかぶせて、何とか荷物を按配して・・・で、そのまま帰れば良い物を、「ようやく血も止まったし、ここまで来たんだ勿体無い」と、てれてれ歩き始めてしまうダメな私。いや、バスでいい加減疲れ果てているのに、もう一度電車に乗って疲れを増すのが厭だった、というのもあるんですが。
で、「どうせ新宿まで行くんだったら、余裕があったら鼎泰豊の点心買って来てよ」とのオットの台詞を思い出し、一路タカシマヤ目指して歩き始めた訳です。
タカシマヤでは、鼎泰豊の点心セットとグラマシーニューヨークのチーズケーキ(ここの陳列棚に並ぶ色鮮やかなパフェを見て、それまでうつらうつらしていたむん子が「うわーっ!」と歓声を挙げて身を乗り出した)、それにマピエスで小さな長皿を購入。これまた、グラマシーで限定の苺チーズケーキが売り切れていた、などというプチがっかりもありつつ、とりあえずむん子と私の雨の新宿漫遊は終了となったのでありました。
何とか自宅最寄り駅まで到着し、近場では一番バゲットが美味しいお店に寄ってポークリエットとレバーペーストのためのバゲットを確保して、帰宅。
むん子は、午前中税務署までの道のりを歩いたとはいえ、その後はご飯食べてお昼寝してほとんどバギーの上で移動ですから、体力的には非常にロス無し。一方の私といえば、手は切るし大汗はかくし歩き回ったしで、ほぼ瀕死の状態でございまして。それでも、折角手に入れたブツはチェックしなくっちゃ・・・といそいそバゲットスライスして、包みを開けて、保護用の脂を除いて(はっ!そういえば店員さん、「上に乗っているのは保護脂」という説明すらしてくれなかったよ!先んじて本を読んで知っていたから良かったようなものの・・・)、いざいざ一口・・・。
微妙。
決して美味しくない訳ではないんです。ただ、この手の加工お肉系ってのは当たり外れが激しくて、つまりは「当たり!」の時の感激も非常に大きいものですから、こちらが過剰に期待してしまった、という部分はあるでしょう。しかし、豚のリエットはコク・旨味よりもわずかに塩気が勝ち、レバーペーストはあまりにも頼りなくふわふわな食感でペーストと言うよりもほとんどムース。そういえば、後味も「レバー」よりはむしろ生クリームの香りばかりが残り、どっしりした明治屋レバーペーストが味の基準である貧乏舌の私にはあまりにもマイルド過ぎでした。シュリンプポットも、「これがシュリンプである必然性は何処にあるんだろう」というくらいに海老の濃厚さが遠のいていて、全体的に「うーん、お上品が過ぎる」と。
またこれで、せめてポットにぶたのおしりが描いてあればともかく、何せ無地ですからねえ・・・とほほ。まあ、どちらかと人に問われれば「美味しかったよ」と答えるとは思いますが、期待値の高さや入手に至るまでの手間ヒマなどなどを含めて考えると、なんとも微妙なオカイモノになってしまったのでありました。ぶたのおしりリベンジは・・・うーん、多分しない、かな。欲しくない訳ではないけれど、そして、決して「もう食べたくない」味では無いけれど、再度買いに行くには手間も掛かりすぎるし価格も高すぎる感じ。
という訳で、いまだに痛い(お風呂に入ったら傷口破けて再出血した)人差し指といい何といい、全体的に失敗気味の本日の私。ええ、そもそも雨の日に子連れでお出かけ、なんてのが最初から大失敗なんですが。
せめて、日記の更新を終えたら濃い目のコーヒーを淹れてグラマシーニューヨークのチーズケーキを・・・と思っているのですが・・・背後で寝ているむん子の挙動がじわじわと不審の度合いを増しているような・・・そういえば彼女今日、運動量足りてないわ・・・うわわわわ。orz

おいしくてかわいい

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