胃腸炎顛末

月曜日。
午後に入ってとにかく仕事が無くなってしまい、まったりしながら職場で暇を潰していた私。実は、うちの職場はある意味変則的な時給制なので、仕事が暇という事は収入減に直結するんですね。で、我が子を置いてわざわざ出勤してるというのに何が哀しくて渋茶挽いてるんだか、とかなりがっくりしながらぼんやり座ってたんですが。そこに、家でむん子を預かってくれている母から一本の携帯メールが。
「体温計って何処に置いてあるの?」
ん?むん子熱でも出したのかな?とほんのり慌てて電話してみましたら、何と昼から2回も嘔吐した、と言うではありませんか!
「帰るから!すぐ帰るから!」
と泡を食う私に、母は
「いや、機嫌も顔色もそんなに悪くないのよ。一応近所の病院に電話かけて予約取って今から行って来るから、あんたは取りあえず仕事してらっしゃい」
と冷静に。昨今の私の勤務状況を知る母としては、「すぐ帰って来い」とは言えなかったのでしょう。世間の経済状況を鑑みても、今下手に「子供の病気で・・・」なんて早退したら私のような時給労働者はあっさり首切られかねませんからねえ・・・。
とはいえ当然、暇だ暇だとだらだら仕事する程には豪胆になり切れない新米親の私。最終のお客さんに連絡を入れて少し来訪の時間を早めて戴き、ぶっ飛んで帰宅した訳でございます。
家に戻ると、いつもなら玄関に突進してくるむん子はぐったりと母の膝の上で寝ておりました。ええ?そんなに具合悪いの?娘よ!母を許して!と駆け寄って半泣きで抱き上げると、むん子は不機嫌そうに半目を開いてじろりと私を一瞥、泣きもせず笑いもせずにまたくてっと寝入るではありませんか。うわあうわあどうしよう、どうしてよりによって私の出勤日(週にたったの1回!)に限ってこんな事に・・・と、ごちゃごちゃごちゃーっと頭の中をパニックめいたものが駆け巡りまして。
「で、どうだったの病院、どうだったの?」
ひーっ!となりながら母に問いかけました処。
過食による胃炎ですってよ」
そういえば日曜日。
父の誕生日が前週の半ばだったもので、「たまには皆でばばーんと」と食事に出かけたんです。
中華料理なら個室があるんじゃないか、と当たりをつけて某店に電話しまして、
「はい、個室ございます」
と仰る店員さんに「実は・・・赤んぼ連れなんですけど・・・」と恐る恐る告げましたらば。店員さんあっさり、
「ハイチェアご用意しますか?ベビーカーで入られますか?」
と、いとも当然のようにご返答下さったものですから、こりゃいいやってんでいそいそ乗り込んだんでございますよ。
個室は広々としており、たとえむん子が騒いでも周囲にご迷惑をかけることは無いようなつくりになっておりまして。で、「椅子ネット」でハイチェアにくくりつけられたむん子も、いつもと違うお食事風景にちょっと興奮したのか、持参したロールパンだけでなく彼女の為にオーダーした「鶏肉のおかゆ」をぺろりと平らげ、さらにデザートとして苺をぱくぱくと食べたんでございます。
普段から大食漢のむん子ですから、大丈夫かなあ・・・とたかをくくっていたんですが。ここしばらくの過食と先週の旅行とで疲れていた処に持ってきてこの暴食、さすがの鋼鉄の胃袋もダウンした模様でして。
いやあ、「季節外れのロタか、まさか腸に何か重篤なトラブルか、それともそれとも・・・」と、職場からの帰路、生きた心地もしなかったんですが。まさか食べ過ぎとはねえ。食べすぎ。食べすぎ。食べすぎ。嗚呼。

熱さましの座薬を入れたら熱もあっさり下がり、下痢およびそれに伴う腹痛はまだ残っているらしいものの、基本的には回復基調にある今日金曜日のむん子。そして、ハハが何より情けないのは、こんなに苦しい思いをしている癖に、食欲が全然落ちてないという事でございます。今日もうどん半玉とお豆腐半丁、熱を通した林檎1個を(まあ、3食に分けたとはいえ)ぺろりと平らげやがりました。ま、食ってる間は大丈夫だろうコイツは。とほほ・・・。
とはいえ、普段乱暴狼藉の限りを尽くしている娘が妙に大人しいってのもちょっと寂しかったりはする私でございます。早く元気におなりー。