先日、何の気なしに深夜テレビをつけてみたら、何だか妙に見覚えの或る男が出演していました。
番組ってのはアレです、いとうせいこう辺りがヘンに幅を利かせていて、ちょっと前まで(多分)『芸能界薀蓄王』か何かをやっていた枠。今回は、『しりとり王決定戦』と題し、妙なヒトビトが妙なお題に添ってかなり無理やりなしりとりを繰り広げていた訳です(たとえば、「特撮ヒーローの必殺技」などというお題が出て、「空っ風シュートビーム」「無敵ゴンガラー」「ラップダンスクイック」というように“ありそうでまだ無い”架空の単語を繋げて行く訳。で、それがアリか無しかを、なぜかCHA-CHAの勝俣と坂下千里子いとうせいこうが判定していくのね)。
どうやらこの世界では、海砂利の薄い方が“うんちく王”の世界でそうであるように、よゐこの海に潜んない方がいわゆる「暫定王者」扱いらしいんです(それで勝俣に、「有野はここでようやく居場所を見つけた訳ですからねえ、失いたくないですねえこの地位」などと言われていましたが。勝俣には言われたくないよなあ)。で、今回は、そのシャクレと暮らしてない方への挑戦権を賭けて、海砂利の濃い方とか大槻教授(!)とか新進お笑いボクシングタレント竹原等が出ていたんですが。それに混じって、非常に硬い顔つきのつるんとした男の子が約1名。一見、ちょっと前に一瞬青春モノの「ちょっとヒネたナイーブな不良」っぽいキャラで出てきかけてそのまま消えていった男性アイドルみたいなルックスなんですが、その割には、あまりにもどす黒い悪意と絶望に満ちた目つきが洒落にならない彼。
えーと、どっかで見た、どっかで見たんだこの顔、誰だっけ誰だっけ、以前しょっちゅう見かけてた筈なんだけど・・・と苛々する事数十分、その「思い出せなさ」のあまりの不快感に、私ったら思わずテレビを叩き切りまして。
いやね、彼の名前そのものは、競技中何度も連呼される訳ですよ、「カワモト」「カワモト」って。でも、その名前と顔と“彼を以前どこで見たのか”がぴんと来ない。深夜の事ゆえすでにPCも落としており、検索も出来ない。「ああ!あいつは誰!誰なんだ!」と煩悶しながら一夜を過ごし、翌朝早速ぐぐってみました処。
嗚呼!そうそう、こいつってアレだアレ、箱男!
あんなに毎週毎週見てたのに、たったこれっぽっちの月日でけろっと忘れちゃうなんて・・・ああ、自分の脳みそスポンジ化が切ない春の一日。それにつけても腹の痛さよ。しくしく。