お引越し日記。
某高速道路上の某SAで食べたハンバーグカレーに胃腸を直撃された私。しかし、勿論、サービスエリア等という場所で、味はともかく衛生上そうそうおかしなものが出て来る筈はありません。営業停止になんかなったら大変ですものねえ。
そもそもは、旅(?)の疲れに加えて、前夜焼肉屋で自覚の無いまま過食をしてしまった、という、いわば「蓄積」があったのでしょう。で、ぎりぎりまで積み上げられた疲労の最後の一押しになってしまったのが、物凄く不味いハンバーグカレーだった、と。更に、その後又も車に乗り込み、流石にドライブにも飽き飽きしたむん子が「いい加減にこの窮屈なシートから出してくれい」と身をよじり怒るのに付き合っていたという事実も、体調不良の激化に多大なる関与があったに違いありません。
何にせよ、折角珍しく実家の母がご馳走してくれた夕食も食べる事が出来ず、翌日昼までほぼ24時間ぐったりとしていた私。ところが、そんなハハの疲れを尻目に、むん子はまあ快調に食べ続ける事!鰻好きな幼児というのもなかなかにアレではございますが、私の分までぺろりと櫃まぶしを平らげて、さらにデザートの苺も人一倍食べて、満足げに久々の自宅へと帰ってきたのでございます。
そして結果、むん子に訪れたのは・・・そう、激肥り。元々、ここしばらく過食に勢いが付いており、「このままだと幼児肥満で大変な事になるんじゃないか?」と心配していたんですが。顎は二重どころかだらりと垂れ下がって首を完全に覆い隠し、背中はむっちりと盛り上がり、腹はまるで蛙さながら。太ももも二の腕も、とても2歳前のサイズとは思えぬ程の充実振りを示してしまい、何と、身長基準のサイズから行けば少し大きめのオーバーオールの腹回りが、みっちみちになってしまったではありませんか!
外食先でぐずられたくない、旅先で熱を出されては困る、という親の勝手な都合で、ついつい思うがままに食べさせていたのがいけなかったのでしょう。むん子の胃袋はどんどん膨らんでしまったのであります。嗚呼!
まあ、しっかり食べ続けたおかげで、2泊3日の強行軍でもなんとか体調を崩さずに持ちこたえてくれた訳ですから、それはそれでありがたかったんですが。それにしても、この凄まじい余剰肉を、一体どうやって彼女からそぎ落としたらいいものか・・・と、私は頭を抱えたのでありました。下手に食事量を減らそうものなら、膨らみきった胃袋を充たす事の出来ないストレスで、むん子大暴れしかねませんし。それに、この時期の「充たされない気持ち」が後から爆発する危険性だってございますし(事実私は、子供の頃に親からダイエットを強制されていたのが尾を引いて、今でも「食べても食べても充たされない感じ」に悩まされる事があります)。
しかし、それは流石に杞憂というものでした。そう、むん子も実はヒトの子だったのです!<産んでおいて何を言うか。
土曜日の夕刻帰宅して、日曜日一日両親がぐったりとしている中元気一杯に過ごした後、ついに月曜日、むん子の食欲が止まったのであります。いつもならぺろりと平らげる筈の量のご飯を、「いらなーい」と。あら珍しい、それなら後でおやつに好物のパンでもあげましょうねと買い物に行けば、一応は「これが好き!これを買って帰る!」と騒いだ挙句に「私が!私が管理する!」とビニール袋をしっかり抱きかかえて帰宅した割には、いざさあお食べと目の前に出すと
「どーじょー」
と私に全部差し出す有様でして。そして、夕刻。ついにむん子のお腹が、軽くゆるんだのでありました。
むん子久しぶりの胃腸不良に、慣れぬ事ゆえうろたえつつも内心ほっとする私。ああ、やっぱりむん子にもストレスはかかっていたのね、そしてそれを感じて身体に出す事が出来る程度に、むん子の身体は機能しているのね・・・。酷い親よと罵りたくばご随意に。お腹に優しいメニューを必死で考慮しつつ、私は半ば安堵していたのでございました。
火曜日のお昼はちょっぴりの雑炊、夜は卵のおかゆ、水曜日の朝はトーストを半分と温めたミルク、お昼は柔らかく煮たおうどん、夜はバナナのフルーツグラタン。お腹に優しく栄養のあるものを・・・と、何だか“おかあさん”にでもなった気分であれこれ考えて、むん子に食べさせるわたくし(おかあさんだろうが)。そして、・・・木曜日の朝。2日半にわたる胃腸の不良ですっかり背中の肉が減り、頬肉に埋もれていた瞳や顎肉に埋もれていた首などが発掘され、何だか妙にすっきりと子供らしい雰囲気になった(いや、先日まではあからさまに“ぷくぷく乳児”そのままの体型だったのでね)むん子は、いきなり華麗に大復活したのでありました。
これまでのいつものむん子の朝食といえば、バナナを半分とチーズを挟んだバターロール、それにホットミルクという辺りが定番。下手をすれば、ダイエット中のOLさんより多いくらいの量なんですが。流石にお腹を壊してからは、バナナも止めてチーズも止めて、パンもいつもの半量にしていたんですね。そうしたら木曜日の朝、それをぺろりと平らげた後、むん子が怒りの表情で「ば!ば!」と。そう、彼女は、
「バナナが足りない!バナナが無い!いつものバナナは一体何処に行ったのよ!」
と訴えていたのでありました。うわ、たった2日の軽い食欲不振で、もう戻っちゃったんですかアナタ(ちなみにう○の方は、既に火曜日の夜には復活基調に乗っておりました)・・・折角首筋らしきものがほんのり見えてきたというのに・・・ハハが一瞬、「うふふやっぱりお前もヒトの子ねえ」と喜んだのは、あれは幻であったのか・・・。
結局、このお引越しで判ったのは、我が家で一番胃腸が頑強なのはむん子である、という事と、我が家で一番引きが強いのはむん子である、という事。最終的には、我が家では誰もむん子にはかなわない、という事なんでしょうねえ・・・。
そして、現在家に残っているのは、未整理の2つのダンボール。さてこのダンボール、一体何時まで我が家に居座る事でしょう。いっそ、開かぬまま捨ててしまいたい今日この頃でございます。ああ、引越しなんて引越しなんて!<実は、この日記を書くのが一番しんどかった。うはは。しかも、こんなに長大に書いた割に、結局オチ付いてないし<そこかい。