入院しておりました。うひゃー。
後から思えば、明らかに幾つかの心当たりがあるいわゆる「腹風邪」だったのですが。土曜日の夜にあまりの症状の激烈さしんどさに病院に駆け込んだら、「一応入院して検査しましょう」という話になってしまいまして、そこから「念のため」の検査が入ったり何だりして、結果的に6日間も病院に軟禁される羽目に。で、結論はやっぱり単なる「腹風邪、急性胃腸炎」だった訳で、入院費用は無駄にかかるし家の中はぐちゃぐちゃだし娘にはいらんストレスかけるしで、嗚呼なんて愚かな私・・・。
発端は、木曜日の遠足でございました。この日はもう大変に寒かったのですが、もこもこ着るのが苦手な私は(贅肉がもこもこし過ぎているのでその上からさらに衣服を着用するのが嫌なのよ)、うっかり比較的薄着で出かけてしまった訳です。で、冷えた地べたに薄いレジャーシート敷いて冷たいお弁当食べたりしたもんだから、ここでまず第一のダメージを身体に喰らった訳ですね。
次いで金曜日。この日も結構な寒さだったので、娘との午後の散歩コースを、戸外では無くあるデパートのお子様フロアにしたのですが。ここで、物凄く気持ちの悪い若い男性と遭遇してしまったんです。
年の頃は、この手の人間にありがちな「一見25〜6歳だけれどよく見ると年齢不詳」な感じ。パーカーのフードをぎゅっと被り、明らかに「幼児対象」な玩具しかないエリアにべったりと座り込んで、子供用のサンプルとして展示されているままごとをためすすがめつ弄繰り回して。
勿論、偏見はいけません。もしかして、例えば自分の姉とか親しい友人の子供へのプレゼントを選んでいたのかも、かも知れません。でもね、確かに偏見はいけませんが、それでもやっぱり一目で「うわ、なんだか怪しい」と思ってしまった私は、おままごとがしたそうだったむん子の手を無理やり引いて、別のエリアにそそくさと向かったんですね。
向かった先は、クレーンゲームエリアでございます。むん子が大好きなスーパーボールのクレーンゲームで、ままごとから引っぺがしてしまった彼女のご機嫌を取り結ぼうとした訳なんですよ。ところが、ところが!その男が、するりと向こう側から現れたのね。で、こう、何ていうんですかね、フードをすっと外して、「母親がクレーンゲームに気を取られている隙を見計らう」かのような挙動をしたのよ!
その時の情景を詳しく描写するとまた胃が痛くなりそうなのでさらりと書きますが。既にコインを投入してしまっていた私は、むん子のパーカーの帽子を片手でしっかり握り締め、油断無くそそくさとクレーンゲームを終えると(なので、普段3〜5個は取れる処、たったの2個しか取れなかった)、むん子の手をぎゅぎゅっと握り締めて、後ろも見ずに汗だくになりながら、半ば駆け足でそのフロアを後にしたのです。
母の尋常ではない態度に気づいたのか、いつもならそこに連れて行くと「もっと遊ぶ、帰らないのー」と粘るむん子が、全く何も言わずに私に付いて来てくれたのは本当に幸甚でした。帰る道々、「今日はあんまり遊べなくてごめんね、気持ち悪いお兄ちゃんが居たからね、ああいうお兄ちゃんが居るときは絶対遊んじゃいけないの」と何度も何度も繰り返してしまった私。冷や汗が寒風に晒されて体温急低下、おまけに悪夢にうなされて睡眠不足と、さらに体調が悪化してしまった訳でございます。
ちなみに・・・これ書くと一気に緊張感が削がれそうでアレなんですが、その若い男というのは、敢えて描写するならば「ふかわりょうをあからさまに怪しくした感じ」。だらしの無い長髪とか、表情の読めない目とか、猫背とか・・・ああ、思い出しただけでまた眠れなくなりそうだ・・・。
で、その夜、あまりに眠れないのでついうっかり深夜に胡麻のクラッカー(午前中にちょっとした来客があったので用意しておいた)なんぞをぽりぽり齧っていたら止まらなくなり、今度はその油で胃腸にダメージが・・・。
更に土曜日。
私の職場の近くに大学があって、例年学園祭の度に「近隣の皆様へ」という封筒を配り歩くんですね。「学園祭最中のご迷惑をお詫びすると同時に、この機会に近隣の皆様にぜひ学園の内部をご覧頂いてより深い地域とのかかわりを」云々という文面とともに、学園祭の模擬店で利用できる金券が入っているんです。金券の額面はそう多くないので、これまではみなずっとスルーしていたんですが。
「お子さん居るんだし、良かったらどう?」
ってんで、昨年たまたま職場の皆さんの厚意で譲ってもらって行って見た処、これがなかなかに使いでのあるアイテムである事が判ったんですね。夫婦でビール飲んで焼き鳥齧って、むん子に「年に一度の特別よ」ってんでチョコバナナの1本も歩き食いさせてやる、というお楽しみが、大体ちょうどぴったり頂き物の金券で賄えるんですよ。
で、今年もそれとなく打診してみたところ、「えー、どうせ誰も行かないんだからうちに来た分もあげるよー」と、隣の部署の分まで貰ってしまいましてですね。「いいのー?悪いわー、でもこれ案外使い勝手いいのよビールも焼き鳥もおでんもあるしー」と一応口先だけで遠慮はしたのですが(おいおい)、皆「わざわざ週末に会社の近くになんて行きたくない」と口を揃えて言ってくれたので、ありがたく券を頂く事にしたんですね。
折角そういう経緯で手に入れたチケットだし、中庭のある学校だからむん子も走り回れるし、という訳で、非常に冷えまくる中を睡眠不足で胃が重い中のてのてと出かけたのが、どうやら最後の引き金となった模様。その夜、正に「七転八倒」という苦しみを味わった私は、オットに車に放り込まれて病院へと担ぎ込まれたのでありました。
不幸だったのは、担ぎ込まれたのが土曜日だった上に、水曜日が休日だった事。本来なら多分、2〜3日で退院できていた病状なのでしょうが。週末休日が挟まってしまった事で検査の日程がスムーズに行かず、いわゆる「大事を取って」という事で、退院が延びる延びる・・・。火曜日の朝には体調も大分楽になっており、こうなると(家の中の惨状が容易に想像つくだけに)一刻も早く帰宅したいという状況の私に向かって、医師が「おお、顔色もかなり良くなりましたね」と言ってくれた時には、「よし!明日退院!」と内心ガッツポーズをしたのですが。「では、大事を取って木曜日の朝に血液検査して、その結果が良ければ週末退院ってことで」とさわやかに言い放たれた時には、一瞬抱いた希望と期待とのあまりのギャップに、一瞬目の前が真っ暗になったものでございました(その表情を見て、「あ、いや、じゃあ、一日早く金曜日にしときましょうか」と医師が言った程)。ま、何とか木曜日の血液検査をクリアして、無事に本日家に戻ってきた訳ですが・・・想像以上の家庭内の惨状に、目下ひたすら現実逃避をしている最中の私でございます。そう、今日のこの更新がだらだらと長いのは、たった6日の間に溜まりまくった洗濯物や洗い物、部屋の埃や放置された生ごみや風呂場に何故か大量繁殖しているカビから逃げ出したいから。ああ、本来ならこれからじわじわ大掃除って時期なのに!時期なのに!嗚呼!