アネハ関係の話は、姉歯元一級建築士だのヒューザーの社長だのという見るからに胡乱なヒトビトが沸いてきたばかりか、嘆く被害者したり顔の業界解説者、そしてついにお約束の最終重要アイテム「代議士」まで出て来てしまって、もう「テレビというフレームの中で展開するエンタテインメント」としては見事なまでにビジュアル的に完成度の高いものになっちゃってる訳ですが。個人的にとりあえず印象的だったのは、某番組での太田光でございました。その場にいた他の面々が「犯人は誰だ、責任は誰が負うべきか」をこちゃこちゃ喋っている間に、彼1人が口角泡を飛ばす勢いで、
「とにかくね、犯人探しは今はどうでもいいんです、後からゆっくりじっくりとっくりやりゃあ。でも、とりあえず、崩れそうなんでしょ?そのマンション。住んでる人とか、その近隣の人とか、どうやって“取り急ぎ”何とかするのかを先に決めちゃわないと、マジメにヤバいんじゃないんですか?イノチの問題でしょ?誰に請求するとかは後回しにしても、今、今しなきゃいけないのはそっちじゃないの?ねえ、ねえ」
と必死で語っていて。私は、「ああ相変わらず彼はこういう事になるとお笑いの本分を忘れて、ついつい真っ当なコトを言わずにはいられないんだなあ」とひとり首肯してたんですが。結局、どんなに彼が顔を赤くして熱弁を振るっても、番組自体はひたすら責任者探し・犯人探しに終始してしまい、オタピカは哀れ完全に黙殺されて置いてけぼりされてしまったのでありました。
そりゃね、番組的には「責任の押し付け合い」の構図をフリップにして、面白おかしいVTR織り交ぜつつ(また、そういう素材を見事に提供してくれるんだもんな小嶋社長も)「悪いのは誰?」と犯人探ししてた方が、出演者も発言に責任持たずに済んで気楽でいいんでしょうけどね。うかつに「とりあえず税金投入してでも住民救済」とか、「隣接する建築物の住民も救済」なんて話を番組内でやっちゃうと、それはそれで批判の的になってしまうだろうしなぁ。
しかし本当に、欲得ずくの世の中になってしまって怖いです。