そうか、私実はほんのり不機嫌なんだ、と気づいた昼下がり。
「そろそろキミにも自由時間が必要だよね、むん子連れて実家にでも行ってこようか。そうすればキミも半日のんびり過ごせるし、おやじも喜ぶだろうし」
そうオットが口にしてから2ヵ月半あまり。その間、旅行があったりむん子の誕生日があったりディズニーリゾート行があったり義母の大正琴の発表会があったりと、義父母とのコンタクトはそれなりにあったもんですから、「オットとむん子の実家行き」は、何となく済し崩し状態になってたんですね。で、ようやくいよいよ「夢のフリータイム実現か」という流れになってきたのが今週の事。ディズニーリゾートで我が家が立て替えた宿泊費や入場料などを貰い受けに行く、という事情もあって、うっすらと「29日の土曜日にでも・・・」という話になった訳です。
ああ、美容院にも長い事行ってないし、家の拭き掃除もしたいし(むん子1歳1ヶ月トコトコ歩き期、彼女が居る時に拭き掃除すると確実に人の後ろを付いて歩いて滑ってフローリングに頭打ち付けます。という訳で、拭き掃除もかなり長い事やってない・・・)、サイトもちょっと手直しして久しぶりに手の込んだ料理なんて作ってみちゃったりして・・・と、夢は膨らむばかりだったんですが。
一昨日、義父から「お金も早く返したいし、田舎から送ってきた新茶も渡したいので、もし迷惑でなかったら金曜日にちょっとお邪魔してもいいかな?」というメールが到着したんです。
私は、「あ、きっと真面目なお義父さんの事だから、結構な額を立て替えさせっぱなしってのが厭なんだろうなあ、一日も早く返してやりたいと思ってるんだろうなあ、あの遠慮しぃのお義父さんが自分から『行ってもいい?』などというのはよっぽどの事なんだろうなあ。でも、土曜日にタロウくんが行くような事を言ってたし、とりあえず即答は避けよう」とお返事保留。オットの帰宅を待って、かくかくしかじかと説明したのであります。が。が。
夜遅くほんのり酔い酔いで帰宅したオットは、「あ、来るの、じゃいいんじゃない」と一言。慌てて私が
「え?だって土曜日に行くって言ってたじゃない」
と言うと、ええ?冗談じゃないよ面倒な、という顔をして、
「来るって言うんだから来てもらえばいいじゃん」
と。おいおいおいおいおい、私の半年振りの自由時間は?
義父母がうちに来てくれる事はいいんです。普段なら、平日だろうが何だろうが大丈夫。そもそも祖父母縁が薄かった私としては、義父母がむん子をそりゃもう可愛がってくれる事がありがたくて仕方ありませんし。それに、義父母が自分から「行ってもいいかな?」なんて言って寄越す事はほとんど無いので、気持ちとしては「ぜひお出で下さい!」な訳。

ちょっと話がずれていきますが。義父母はね、むん子誕生のこの1年どころか、私が親族に入ってからの9年半の間で、自分からムスコの家に「行ってもいいかな」と言い出した事はほとんどありません。多分、今回を入れたって片手分も無い回数でしょう。
勿論、向こうの都合で「こっちに来てくれ」と呼び出されたこともありません。せいぜい、
「お父さんの退職のお祝いをしたいので、都合のいい日と場所を教えてくれない?」
等と言うように、いわゆる"予定の掏り合わせ"がある程度。「遊びに行ってもいいですか?」といえば歓迎してくれるし、「来ませんか?」といえば手土産持っていそいそ来てくれるんですが、決してずかずかと一定の線を踏み越えてくる事はしないんです。
で、義父母が凄くて有難いのは、更にここから先の話。
そういう遠慮しいの義父母ですから、以前よりなるべくこちらの方から色々と声をかけるように心がけていた私たち。むん子が生まれる前は月に1度、娘がやって来てからは可能な限り月に2〜3回は行ったり来たりするようにしているんですね。以前は度ごとに、「もっと気楽に遊びにいらしてくださいね」と言う様にしていたんですが。今に至るまで義父母、これを本気にして「今日は行っていいかな、来週は遊びにいらっしゃいよ」と言い出したことが殆ど無い。つまり、「増長」という言葉とはほぼ無縁な訳です。
親戚づきあいで、「最初に甘い顔をしたのが失敗だった・・・」という台詞をよく聞きますが。これだけ長いこと付き合いがあるのに、「ここまでは大丈夫」のラインがほとんどブレてない義父母って本当に凄い、有難い。ことに、増長大魔王とも言うべき私の実母と引き比べると、その有り難味もひとしおなのでございます。
閑話休題。
いずれにしても、義父母がうちに来るとなると、いかに「親族だからかまわなくていい」とはいえ、とりあえずそれなりに片付け物はしなくちゃいけません。典型的狭小住宅の我が家の場合、生活はほとんどリビングで行われている訳で、
「ムスメが散らかすもので・・・」
では言い訳の利かない雑貨が山積になっているのが現状でございます。お手洗いや洗面所のタオルもお客様用に掛け変えなきゃいけないし、洗濯物も片付けなきゃいけないし、お茶菓子だって湯飲みだっておしぼりだって用意しなきゃいけないし、掃除機だって普段より念入りに・・・。ええ、普段ならいいんです普段なら。でもね、「やったー土曜日は久しぶりのヒトリ時間だー」と思っていた処にこういう諸々の作業が降って来たとなると、その期待の分だけ落ち込みと作業への疲労度は増すわけです。ええ、プラスと思っていたことが一気にマイナスに転じたって事ですわね。ああがっくり。
何が一番こたえたかって、いかにも私に気を使っているかのように「たまには自由時間を」などとほざいていたオットの本音が、
「平日にあっちから来てくれるってんなら、ボクは楽だしそっちの方がいいなあ」
だった事。「え?土曜日に行くんじゃなかったの?」と私が言った時の、あの「冗談じゃアリマセンよ面倒くさいなあ」といった表情は忘れられませんわ。という訳で、掃除機にまとわり付いたり片付けた先からおもちゃを散らかす1歳児と戦いつつ来客の準備をしながら、ふっと「厭だ、私実は相当不機嫌だったんだわオットに対して」と自覚した本日の昼下がりだったのでした。ぶちぶち。
・・・あれ?こうして日記に書いて吐き出してすっきりしようと考えてたのに、つらつら書いてたらだんだん「思い出し怒り」な状態になってきたぞ。うわー、余計に腹が立ってきたぞ、どうしよう。よーしオットよ、早く帰って来いッ!<完全に臨戦状態。うはははは。