「最初は『虎と龍』ってタイトルにしようと思ってたんだけど、CKBのあの曲を聴いて、あ、これいいやって・・・」
全く、どうしてこう見え透いた嘘をつくんでしょう宮藤官九郎。あり得ないでしょ?だって♪俺のッ 俺のッ 俺の噺を聞け 5分だけでもいい♪っすよ?どう考えたって、2時間丸々あの曲からインスパイアされたとしか思えないでしょ?
大体この男、例のあの作品だって、
「最初はなんかもう千葉のいろんなところを考えてて、ホントは別のところに決まりかけてたんだけどなかなか撮影の許可が難しいとか何とかで」
とか言ってますが。え?船橋キャッツアイ?行田キャッツアイ?違うでしょ?大体、そんないきなりな決定であんな風に“木更津のスイートヤンキー”氣志團を起用できますか?ってのよ。何かこう、もうここまで来ちゃうと宮藤クン虚言癖?っていうかどう考えても嘘なのに皆が「へ〜っ」って頷いちゃうから引くに引けなくなっちゃってる?
今までの宮藤官九郎のいわゆる「斬新」な作劇術が、本人にとっては「別に斬新でも何でもなくてオレのスタンダード」である事をはっきりと知らしめた、という感の今回のスペシャルドラマ。だから、「今回も驚かせて欲しい」向きには「あれ?」な出来だった筈ですが、驚きではなくクドカンを求めているファンにとっては「今回もご馳走様でした」といった感じでございました。現場全体の西田敏行氏への程よいリスペクトぶりも心地よく、またそれに応える御大の伸びやかさも正月らしくておめでたく、即保存決定の逸品。4月から連ドラ、という噂もあるようですが・・・いやあの、一応このレベルの「古典落語との絡み合わせ」が毎回保たれるんであれば賛成ですけど・・・それなりに出来の良いホンって、却って連ドラで見るのが勿体無い気分になっちゃうんですよねえ。ううむ、ほんのり悩ましい。
そうそう、かつら取る瞬間のサダヲに萌え萌えしちゃいましたが、弟が岡田ってのはあり得ないと思います、流石に。