スパリゾートハワイアンズ、そこは常夏の楽園。感想としては、素人仕事の一言に尽きましょう。アタクシこれまで、「空間コーディネーター」とか「コンセプトデザイナー」などという人種を非常に胡散臭い斜めな視線で見ていたんですが、今回大反省致しました。なるほど、こういう人達の仕事は、こういう場所にこそあるんだわあ。そのテのプロが居ると居ないとでは、こんなにもユーザビリティが変わってしまうのか、とつくづく感じ入ってしまいました(いや、SRHにこういう人たちが絡んでないとは言わないが・・・絡んでたにしても、ほぼ素人に違いないよ)。
個別に言い始めるとまあきりが無いのですが。
例えば、まずもってゲストの動線がぐちゃぐちゃな訳。東京ディズニーランド東京ディズニーシーってのは、その点実に恐ろしく色んな事が考慮されていて、ぶらぶらと何の気なしに歩いていても、気づくとパークの目ぼしい所をを半分以上(それも、動線にダブり無く)見る事が出来るんですわね。ところが、ここは何の計画性もなしに増築を繰り返したのが丸判りで、とにかくエリアからエリアへの移動がめちゃくちゃ。西と東のエリア間を移動するには、一旦必ずメインプールを通らなければならないし、その移動でもやたらと階段が多い!というより、山際に作られたパークと言うこともあるんでしょうが、移動はほぼ階段ばかりですわ(TDRでは必ずどの階段にも迂回路がある)。当然、子連れにはたいそう厳しい状況でございます。おまけに、1つのテーマエリアに到達した後も、上下移動が必要となるケースがあったりするんですよ。
それだけでなく、食事をする場所なども大変にいい加減。席数が少ない上に全体的な空間コントロールが出来ていないので、皆が勝手気ままにあっちこっちで食べてるんですね。つまり、パーク側が「何となくここでは立ち食いしづらい雰囲気」をウマく醸し出す事が出来ていないので、客がもう好き放題に食べ物を持ち歩いては食べている、と。
ナニがアレかというと、つまりは、「ゲストがオノレに自主規制をかけるような、“圧力のある雰囲気”がその場に無い」んです。食べ物の件しかり、温泉の洗い場しかり。
大江戸温泉(あんまり評判良くないみたいだけど私は好き。出来ればもう一度のんびり行きたい)や、青梅・箱根方面にあるような日帰り温泉施設などでは、大抵浴槽の手前に広大な洗い場スペースがあります。つまりは、「洗いなさいよ、ここで全身洗ってから入れよ」と、“空間が圧力をかけている”訳ね。ところが、ここにはそういう“気合”(前述のコーディネーターさんなどがおっしゃる所の「空間コンセプト」)がまるで無い訳。その辺の素人のオッサンが、「こんなのがあったら楽しんじゃないかい?」「こうしたら客も喜ぶやろ」と髭しごいて太鼓腹叩きながら扇子振り回しつつ呟いたのがそのまま形になっちゃった、って感じなんですわ。
だから、大露天風呂そのものは広々と気持ちよい造りになっていたものの、長い髪をだらりに垂らしたまま平気で入浴してくる少女が後を立たなかったりする訳。親が注意をしないのもアレですが、あそこの場合はそもそも場の雰囲気がそれを許してしまってるんだなあ。
どこで水着を着用し、どこでは入浴・洗浄のため非着衣になるか、なんていうゲストの動線も全く無視。「え?ここは着るの?脱ぐの?」という感じで、実際温泉の中でも、
「プールの後にここに来て身体洗えばよかったね」
などと言っている人がおりましたわ。
施設の方や施設ファンの方のために、念のため。
一つ一つのエリア自体は、なかなかに面白そうだったんです。露天風呂は広いし、温泉には多方向ジェットシャワーもあるし、スパもあればスライダー付きのプールもあるし、なんとなーくそれっぽい売店もあるし。ただ、「草津ほどではないにせよ日本有数の湧出量を誇る」いわきの温泉を資産として持ち、地元の雇用に貢献しつつ県外からの収入を確実に上げている、40周年を迎えた歴史あるテーマパークの割には・・・全体的に、あまりにもあまりにも素人仕事。もう、何というか全面的にあれこれ勿体無くて勿体無くて・・・で、帰路の車中でオットと私は、
「オレに!オレにリコンストラクトさせてくれ!」「私に!私にプロデュースさせてくれ!」と叫びもだえていたのでありました。とほほ・・・。
という訳で、ムスメをひたすら抱っこしての階段移動に疲れ果てた私たちは、結局早々にスパリゾートハワイアンズを後にする事にしてしまったのでした。当初の予定では、夕食までここで食べていくつもりだったんですけどねえ・・・出発したのは、夕方の4時過ぎ。早ッ!
しかしまあ、あちこち彷徨ってちょっと温泉に浸かって疲労しただけ、というのも哀しいので、折角だから・・・と施設内に在った“Kliban Cat”の店で家族3人分のTシャツを購入した所、
「ただいまキャンペーン中でして、お一人様1回くじを引いて頂けます」と。
ではでは、折角だからむん子にも1枚引かせましょうと無理矢理三角くじを箱から取り出させて、しかる後にオットも私も1枚ずつ引きまして、そしてお店の人に渡しましたらば。なんと、むん子が引いた1枚だけが、中当たり!景品は、空クジ無しのチョコレートだったんですが。オットと私の“ほぼハズレ”は、いわゆるハワイで配ってるサンプルサイズ。ぽろんと1個だけマカダミアナッツチョコが入って居るシロモノだったんですね。ところがむん子が引き当てたのは、箱にキャットのイラストがばばんと書いてある、ちゃんとした商品。後で見てみたら、日本で買うと600円以上するらしく・・・最後の最後に、我が家で一番籤運が強いのはむん子である、という事実が改めて判明したのでありました(実は、むん子と一緒に居る時に買ってむん子と一緒に居る時に当選券確認した宝くじで、1万円当てた事がある私。むん子抜きでは、一度も当たった事はありません)。
で、ぐたーっと社宅に戻った後、仕方なく再度車に乗り込んで夕食へと出かけたんですが・・・その話はまだ続く。てへ。