引越し。これまでのあらすじ。
オットの元単身赴任先に、子連れで引揚げ作業をしに行きました。荷物があまりにも少なく、しかも廃棄するものばかりだったので、小さいのがちょろちょろしている割には荷造りは思いの外ラクでした。なので余った時間で某巨大温泉地遊興施設に行ったのですが、期待していた程面白くはありませんでした。子連れの引越しは、生活基盤を荷作りによって封鎖する事になるので外食が多くなり、とても大変でした。おまけに、オットが会社での引越しをきちんと済ませていなかったために、家族全員で休日出勤をする羽目になりました。
で、休日出勤。
最初は、「残してきた書類を箱詰めするだけだから。で、それを帰任先に送ってもらって、整理整頓はそっちでやるから。だから、大体30分もあれば終わるから」という話だったんですが・・・彼のデスクの脇に山積みしてある書類を、何の気なしに
「これも詰めるの?手伝ってあげようか?」
などと、元事務職OLとしての血がうずいてうっかり口にしてしまったのが運の尽きでございました。
「いや、これは全部シュレッダーかけて捨てるんだよ。来週にでも、電話で頼もうと思ってるんだけどね」
そう聞いた私、おいおい離任した後でゴミ処理の迷惑をかけるってどういう事よ、と、又も元事務職OLとしての血がうずいてしまい、
「それなら、荷詰めしてる間に少し私が減らしといてあげる」
と。うわー、むん子が他人のデスクの引き出しあけて喜んでる最中に、なんて莫迦な事を!私ったら!しかし、入ってしまった「事務職スイッチ」はなかなかオフになってくれず、何だかもうヘンなモノに突き動かされて、ひたすらシュレッディングに励む私(そして同時並行で、いたずらむん子を場から引き剥がして叱咤するという作業も)。また、事務所のシュレッダーがなかなかに時代物で、一応ホチキスは噛み砕いてくれるんですが・・・紙厚の制限もタイトならば、オーバーフロー(平たく言えば、屑篭満杯状態)になるのも非常に早く、作業は意外にも困難な様相を呈してまいりまして。おまけに、「どうせ手をつけちゃったんだから、全部やっちゃおう」とオットが言い出したものですからさあ大変。気づけば、当初の「30分で終わるから」は、ほぼ4倍の2時間弱というお仕事になってしまったのでありました。
その間むん子は、軽くかんしゃく起こして床に寝転がってみたり、業者が持って来た昼食配達メニューをスチール机に貼って置くためのマグネットをいじくり回してみたり、シュレッダーからこぼれる紙屑を拾っては撒き散らしてみたりと、こちらも大忙し。うーん、この2時間って一体何だったんだろう・・・。
さあそしていよいよ、現地を完全撤退!予定よりは少々遅くなりつつぶんがぶんがと高速に乗り、一路自宅を目指す私たち。そうそう、昼食も忘れてはなりません。ええ、嵐の3日間の、これが最後の「外ごはん」。チャーハンにお寿司に丼に焼肉と、快調に食べ続けたむん子も、これをラストとしての後は、「おうちでのローカロリー食」を当分実施しなくてはなりません。さあ!何食べようか!という気合もあらばこそ、選択肢は皆無に等しいわけで・・・私たちは、粛々と車を常磐自動車道上の某サービスエリアへと入れたのでありました。
つづく。