今更私がストレスと物欲の関連性についてぐだぐだここで語るのも笑止ですので詳述はしませんが。とにかく、欲しくなっちゃった訳ですボンヌママンのコンポートの瓶が。うっかりおかいもの途中で見つけてしまったので、嬉しくてそりゃもういそいそと買ってきたんですが、ここに陥穽が。瓶を買ったら中身も付いて来る<当たり前じゃ。
うちのオットは甘いものが苦手で、ヨーグルトにもジャムや砂糖は絶対に入れないタイプ。そして、甘いものが決して嫌いではない私は、どちらかといえばご飯党であまりパン食をしないので、結句我が家ではジャム系統を減らす事は至難の業なのでございます。それでなくとも、頂き物のこけももジャムやら夏みかんジャム、腐らしちゃ勿体無いからと作った苺ジャムなどが冷蔵庫の中で相当邪魔な事になっているというのに、瓶欲しさのために余計なものを買ってしまった愚かな私。その上、このコンポートの瓶って、結構大きいんですよ。いや、だからこそ瓶としての使い勝手が良さそうで、欲しくなっちゃった訳なんですが。
で、仕方ないのでどうしたかというと、よせばいいのにケーキに焼きこんだ訳です。計量やら粉ふるいやら泡立てやらという緻密な作業が苦手な癖に、一体ナニを血迷ったかと言えば、それはもう可愛らしい瓶の魔力のなせる業としか申し上げようがございますまい。
「まあ、適当で何とかなるんじゃない?」とばかりに粉を混ぜバターを突っ込みごりごりと愛用のキッチンカッターで生地を混ぜ、「こんなもん?もうちょっと行っても大丈夫?」とおよそ製菓の現場とは思えぬアバウトさでコンポートをどろどろと生地に突っ込み、焼く事20分。見た目は普通、の出来上がりだったんですが。
まず味見させたのは娘むん子。もうすぐ2歳、そろそろ焼き菓子を食べてもいいお年頃ですから、ハハの手作りケーキなんてのはいかが?と口にねじ込んだ処、あの食欲娘が「はいもういりませーん」と2口目を拒否して逃げていくではありませんか。うへー、と思いつつオットにも「どうぞ召し上がって」と差し出した処、端を齧ってから「えーと、後で食べるからそこに置いといて」。
いやね、生地練ってる間から、既にナニな予感はしていたのですよ。どう考えてもコンポート入れすぎで、もたーっ、どろーっとしてましたし。型から外した時、底に沈んでた蜜煮の桃がでろーんと型に張り付いてましたし。ただ、一応中まで焼けている事は焼けていたので、味音痴のオットやお子様のムスメなら食べてくれるんじゃないかと期待してたんですが。まさかこんなに見事に撃沈するだなんて・・・。
で、その猫またぎぶりが却って面白かったもので、本日開催された友人宅での集まりに、ニヤニヤしながらそのケーキ(同時に2台焼いた)を持参した私。何せ古くからの気兼ね無い付き合いですので、激マズケーキも話題の種かと(そして、お子様大量参加の会でもあったので、何だかんだでとりあえず掃けるかと。いくら何でも、流石に食べ物を捨てるのは厭ですしね)。
「なんかねー、面白い味になってるらしいんだ!ムスメもオットも猫またぎしやがったんだ!」
とうきうきしながら開封し、「恐れを知らぬものは食ってみよ!」とニヤニヤ絶好調顔でご一同に勧めてみました処。
「うーん・・・うーん、ワタシねー、こういう、ちゃんとしたケーキ屋さんでは絶対出てこないもっさりべたっとしたケーキって、割と嫌いじゃないんだよねー」
「あ、この極端な果物の甘味、子供が平気な甘さだ」
「・・・そりゃまあ確かに美味しくも上手でも無いけど・・・」
「ママ私もうちょっとだけなら食べてもいいよ」
「とりあえず口に入るものなら何でも頂戴それを私の口に入れなさい食べるわよ食べるわよ」(1歳児発言翻訳)
えー。えー。えー。
平たく言えば、中途半端に面白くない味だったみたいです。何それ。結果的に、ウケを狙ったつもりが、ただただ「ホームパーティに手焼きのケーキを持参するすごく感じの悪い人」になってしまったよ・・・orz。
教訓。
いくらウケ狙いと言っても、他人に食べさせるものは必ず一度は味見しましょう<してなかったんかい!味見!