努力するのは苦手です。いや、全く努力をした事が無いとか、努力家の方々を斜めな目つきで見て鼻で笑ったりするという事ではありません。実際問題、生きていればどこかで努力しなければならない局面は来る訳で、そういう時には私だってそれなりに努力(をしようとは)するし、また、そういう場に来てまで冷笑的に“努力”を軽んじるタイプの人をCoolだとは思いませんし。でも、目先の事に努力を振り向けるのはどうも苦手。ええ、単なる根性なしというヤツでございます。
当然、ムスメの教育に関しても、根性無し精神が全開している今日この頃。もう2歳の誕生日を過ぎている訳ですから、ちょっと頑張り屋のお母さんならば水泳に音楽に英語にと、日々我が子を連れて奮闘してらっしゃる事でしょう。しかし私には、どうもそれが億劫で。金銭的事情もさる事ながら、母親の気力体力不足が大きな要因となって、我が子むん子は現在ろくな習い事もせずに日々を過ごしている訳でございます。嗚呼、何て可哀想なムスメ。
習い事ばかりでなく、ほんの小さな目先の事まで手を抜く私。例えば・・・お友達作りのために、という事で唯一通っている幼児教室で、「ごあいさつ」というカリキュラムがありまして。クラスメートの前でマイクを持って自己紹介をする、というのがこの項目の概要。跳び箱の最上段をつかったミニステージによじのぼり、先生の「おなまえは?」「おとしはおいくつですか?」という質問に答えましょうね、という事なんですが。ここで先日むん子、壁にぶちあたったのでございます。どういう壁かと申しますとですね、今まで「1歳」の時は人差し指をきゅっと挙げれば良かったのに、先日の誕生日以来「ふたつ」に繰り上がった年齢に、指の巧緻性が着いて行かない、と。平たく言えば、まだ手先の感覚が充分でないので、ブイサインが出来ないわけですよ。で、「ふたつ」なのに「ふたつ」が出来ない、と。
本人はそれがいたく悔しかったらしく、ここ1ヶ月ほど、始終苛々しながら己が手をこねくり回していたんですが。ここで母の根性無しが炸裂してしまい、
「いいのよそんなこと今出来なくても!どうしてもおててでやりたかったら、ほら、右でひとつ、左でひとつ、これでふたつ!」
もしかしたら、手を優しく取ってやり、「ほら、こうするのよ」と親指で薬指を押える動作を教えてやればよかったのかも知れません。第一、本人がやりたがってたんだし。でもねえ、今そんなこと頑張ってどうするよ、とハハは思ってしまった訳。いいよそんな事人より先に出来るようになんてならなくたって、のんびりおやりよ・・・と、「ふたつ」をやりたがる娘の“努力”に、むしろどこかもどかしい思いをしていたんです。
大体さぁ、「ふたつ」が出来るか出来ないかなんて、そのお教室のそのカリキュラムの中だけの事じゃん!それよりもっと先に色々目を向ける事がありそうじゃん!“お受験”等の様な大目標があるのならば、お教室の授業内容を復習して身に着けるのは大事な事だと思いますよ(ちなみに私はいわゆる「お受験」は積極的容認派。というより、もしうちに金があったらちょっとやらせてみたかった位。よく、「お受験は親のブランド志向が云々」と言いたがる方が居りますが、そもそも何故学校名にブランドが附くかと言えば、その教育内容が“ブランド”としてある程度確立されてるからじゃないだろうか、と。子供により良い教育を受けさせたくて奔走する親ってのは、まあ勿論程度問題はあろうにせよ、少なくとも子供にブランド服やブランド小物をこてこて着せ付けてる親よりはまだ色んな事を考えてやってるような気がします)。でも、まだ2歳だし!正確に言えば、1〜2歳児クラスだし!学年換算ではまだ1歳児だし!そんな段階から、授業でやった事をせっせと頑張る必要は無いだろうよ!
また、むん子の通っているお教室というのが、「頑張りましょう」系では無いんですね。折り紙破いたりクレヨンでぐじゅぐじゅお絵かきしたり、走ったり積み木したり平均台したりする中で、それらの遊びに色んな理屈をつけて軽く親を納得させてみたりしつつ、結局は「コドモがありのままに伸びていく手伝いをしていきましょうね」みたいな処に着地してしまうお教室なので・・・無理な努力は、私の感性ばかりでなく教室の方針とも微妙にずれている、と。
で。5月の頭に「2歳」になってからこっち、むん子の「ふたつ」に関して「無理すんな!努力すんな!いちといちでふたつで充分だ!いやいっそ既に『ふたつ』と口では言えてるんだから指はいらん!」と、非常に冷たい態度を取り続けていた駄目ハハの私なのですが。一昨日、子供番組を見ていたむん子、お兄さんだかお姉さんだかが「イェーイ」とVサインをしていたシーンを凝視して・・・ついに「ふたつ」の極意を掴んじゃったらしく・・・あああああ orz
そして、物凄く厭な予感を抱きつつ、私たち親子は本日幼児教室へ行ってまいりましたともさ。「はいそれではむんちゃん、行ってみよう!お名前は?おとしはおいくつですか?」意気揚々と高らかに「ふたつ!」の指を差し上げるむん子。そして・・・ワタクシ、授業後に呼び出しくらいました。「おかあさん、今の時期から一生懸命教えてあげる事って、悪い事ではないんですけどもね・・・でもね・・・」
違うんです先生判って下さい先生私もこの子の「無駄な努力」体質にはほとほと困ってるんです先生、これって間違いなく、いつでもロクでもない些少な事にばかり神経集中させて大局が見えないオットの血なんです何とかする方法ありませんか(号泣)。