ドラゴン桜

相変わらずキャラ立ちも磐石な阿部ちゃん以外は、どうも全体的に学芸会。や、山Pの演技がとかハセキョーの演技がとかまさみちゃんのどう見ても無理矢理な髪形が、とかいう話ではございません。台詞回しやカメラワーク、衣装やセットなどの・・・ま、いわゆる脚本・演出面全体がいかにもチープなんですね。良い例が、理事長を演じる野際陽子御大の白いスーツ。いや、それはテレ朝木9枠のお衣装でございましょう?ってなチープさが紛々でございます。
じゃあそれがダメかというと・・・実は、このドラマに関して言えば、逆に全く問題は無い訳で。つまり、「尤もらしい事は色々出てきますが、結句あくまでも架空の漫画物語ですよ」とあのペラペラな画面が述べている以上、それはそれでドラマとしては成立しているような気がいたします。変に深刻にリアルに作りこまない、という意識が徹底していれば、この先原作無視して山Pとまさみちゃんがラブラブになろうと無事東大に合格しようと、見てる方もお気楽でございますもの。いや、そもそも原作漫画からして、完全にパースデッサン狂いまくりの濃い作画が、もっともらしい受験テクニックを次々に繰り出しつつも「おいおい、真面目に受け取るなよ!」と堂々の自己主張をしている訳ですもの。
それに、正直このヘタにチープなペラペラ感は、『女王の教室』よりもよっぽど罪が無いように思います。『女王』の場合、下手すりゃ本職の小学校教師が「ああ、ああいうやり方もあるんだ・・・」と感銘受けた挙句に馬鹿な模倣をしかねませんから(「そんなアホな」とお思いの向きもおありでしょうが、現在の公立小学校教師の平均的レベルって正直そんな程度ですよ。いや、本当に本当の話。もちろん個差はあるでしょうけれど)。
週刊モーニング」に連載中の漫画を原作にすえての、「どうしようもないバカを東大に入れてみせましょう!」という荒唐無稽のストーリー。ただし、原作に比較的近いのは、阿部ちゃん演じる桜木とハセキョー演じる英語教師井野、それにまさみちゃん演じる“特進コース”の水野ぐらいでしょうか。原作に比して今一歩面白味に欠けるのは、山P演じる矢島が「どうしようも無いバカ」じゃあない事。原作の矢島は、金持ち一家の出来のいい兄貴2人に差をつけられ放題な屈折オチこぼれ、という設定なんですね。ところが、事務所絡みで設定が変更されちゃったのか、ドラマでは「バンドに打ち込む熱血硬骨漢で、実家の貧乏を苦にしている」というキャラクターに・・・これじゃあ、「それならいっちょ東大目指して頑張るか!」という前向きな姿勢も簡単に出ちゃうし、一度頑張り始めたらとことん頑張りそうだし・・・こう、「えー?こいつが東大?」という揺らぎが半減しそうで、ちょっと設定ミスという感が。それから、原作に次々登場する妙な教師たちが出てこない(らしい)のも大減点。全部とは言わないまでも、あのマッチョ英語教師か数学のじーさん位は出して欲しかったなあ・・・(まさか、あれを全部阿部ちゃん演じる桜木が引き受けるのか?)。ラーメン屋でお忙しいデビなんて出すより、よっぽど変キャラ教師達のほうが重要だと思うんだが。ま、「ドラマなんてもんは原作とは別物」と言われてしまえばそれまでなんですけどね。ええ。
ここの所、ドラマと言えばゲスト悪役が多かった矢沢心ちゃんが、ハセキョーの親友役で出演中。これが、えーと、その・・・矢沢心って、実はとても綺麗だったのね?なんかえらいこと美人に撮って貰ってて、非常にびっくり致しました。へー<このドラマで一番のインパクトはそこだったらしい。