本当はもうへとへとのへっとへとで、日記書いてる余裕なんて無いんですが。AERAがまたやってくれちゃったもんで、嬉しくなっちゃって書きなぐり更新。本当に書き殴りのダラダラ文ですので、あしからずご容赦下さいませ。
それにしても、いやあ相変わらずトバしてますあの雑誌。凄いなあ。今回私の笑いのツボをどかんとついてくれちゃったのは、小特集『専業主婦はパラサイト 政府税制調査会で出た発言』。委員の1人が委員会中に、
「働く女の人は前向きだが、働かないで家でごろごろしている主婦が子供を産まない。変な生命力の無い人がお金を持ってぶらぶらしている」
という発言をした、という事が議事録から発覚して軽く紛糾してますよ、という話な訳です。
この発言及び発言者に関してはまた後で述べるとして。
特集内の囲みとして、「確かに専業主婦はよろしくない」「いやいや、発言は偏見と差別だ」という2趣旨で、いわゆる“識者のご意見”的なものが掲載されていた訳ですよ。その1方が、なんとあの石原里紗(通称りさたん)。出たー!
相変わらず少々ピントのずれた事を仰っておいでで、例えば「働いている女性に対して『何で結婚しないの』という無神経な人も」と専業主婦を思いっきりひと括り(っていうか、「何で結婚しないの」という言葉が「無神経」に直結するってのは、単にコンプレックスを衝かれたってだけの話なんじゃ?)。「私が今までに会った専業主婦の中には」税金の行方に関心が無かったり無知だったりする人が多いそうですが、それって単にあなたの周りの専業主婦がナニなだけなのでは。普通、単一の収入源しかない専業主婦は、家計管理にそれはそれは神経を尖らせており、当然税金の事についてもそれなりの関心がある人も少なくない訳です。今の主婦トピといえば、税金年金育児補助金ってのが相場じゃないんですかね?まあ、この話題ですかさずりさたん引っ張り出してくる辺りが、既にAERAの凄まじい処なんですが。
さらに、その反対意見としての「発言は偏見と差別 専業主婦は悪戦苦闘」というコラムを書いた、元東京女子大教授ってのののご意見もまた素晴らしく香ばしい事で。コラム初頭の、「特に子育て中の専業主婦は悪戦苦闘の毎日で、大変不利。育児支援も薄くて苦労している」という辺りまでは私もそうそうそうそう、と頷いてたんですが。
「日本の女性たちは『自分の手で子供を育てたい』という願いが強く、家庭育児への志向が強い」
「共働きの夫婦は厳しい労働条件を押しつけられ、親子関係は希薄になりやすい」
「専業主婦による家庭育児は親子関係を育む上で最も良い方式である」
と来るに至っては・・・いやはやお膝かっくんでございます。おじーさんおじーさん、あなたみたいな「母親は子供のために全てを犠牲にすべきである」論者が居るせいで、働く母親の肩身がどんどん狭くなり、仕事での自己実現と育児とを両立させたい女性たちが子供を産まなくなり、ひいては少子化を招いてるんですよ。とほほ。
平たく言えば、サッカーの試合を論評するに、東西のサポーターの髪型を論じているような噛み合わなさ。こんなコラムや談話を、「こういう対立意見がありますよさて皆さんはどうお考えになりますか?」とでも言わんばかりに堂々と掲載してしまうAERA、やっぱりお笑い雑誌としては相当侮れないものがございます。素晴らしい。
さて。
この小特集の契機となった、「変な生命力の無い人がお金を持ってぶらぶらしている」という発言。これ、猪瀬直樹の口から出たらしいんですね。で、我らがAERAは猪瀬氏に思いっきり直撃した訳ですが。
彼曰く、「趣味を徹底しているとか、NPOやってるとか、テーマがある人はいいんです」だそうな。へー、じゃあ、一人一人調べてみろよ。AさんはPTA頑張ってるから合格、BさんはパートとPTAと中途半端だから不合格。Cさんは趣味のフラメンコに没頭してるけどあれは遊びだから不合格、Dさんのフラメンコはスペイン文化をしっかり学んで交流に寄与しているから合格」って事になるんでしょうかいな。
とにかく、簡単に口にしやすい「専業主婦」なんて言葉で安易に人間を区切って税制問題に持ち込もうとしている時点で、「A型は几帳面」などと血液型で他人を判断して社内人事決めちゃう類のバカと同レベルと言われても仕方が無いのでは。
さらに思ったんですが。
どうも猪瀬氏のイメージにある“専業主婦”って、アレじゃないか?あの、夕方のテレビで時折見かける、いわゆる「セレブ奥様」。「お洋服は、年に4回ヨーロッパに行って作ってきます」「お料理は・・・うちで作るより、ホテルのよく知っているシェフにお願いして作ってもらった方が美味しいですから」「この絵は、実家から持ってきたんでよく判らないんですが・・・300万円くらい?」とトンでもない台詞をふわふわ吐きながら、都心の超高級マンションの「それは落ちつかねえだろ奥さんよ」と言いたくなるようなフリフリヒラヒラしたカーテンが垂れ下がるお部屋で取材受けてるようなおシュフな方々。あれだろ、あれ。あれならば、「働かないで家でごろごろしている主婦が子供を産まない。変な生命力の無い人がお金を持ってぶらぶらしている」という台詞にぴったりこんと収まりませんか?ねえ。あの人たちを税制上優遇するのはイヤだ、というのなら、まだ得心も行くってもんですが。
しかし、猪瀬氏の理解の中の「専業主婦」がイクォールあのおセレブさん達だとしたら、つまりは猪瀬氏の周囲に実在する「専業主婦」がこぞってああいう頭と生命力の弱そうなおセレブさんなのかしらね、と私が思ったとしても仕方ありませんでしょう?(そうでなく、それこそテレビで垂れ流されているああいう情報を真に受けてるんだとしたら、それはそれでまた頓珍漢もいい所ですけれど)という事は・・・おセレブ専業主婦としかオツキアイの無い猪瀬さんって、「類が友を呼んでいる」系のオバカさんなのじゃないかしら。ほっほっほ。ああ、本当にAERAって、いつ読んでも面白いわあ。