西原理恵子サイバラ(<どっちのキーワードでも引っかかるように)、またやってますなあ。教育委員会と戦ってるそうで、もう彼女は一生何かと戦い続けるんでしょう。考えてみれば、カモとの戦いが一応の決着を見た途端にこれだもんなあ。やっぱり凄いや、サイバラ
ソースはこちら
http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20050831i106.htm
引用は長くなるので文末に。
私はこの漫画が好きで好きで、Web(http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/women/etc/riezo/)でも見てるし単行本もちゃんと買っているのですが。いやあ、あの「5大バカ」ネタに学校側・教育委員会側がここまで過剰に反応しますかね。凄いなあ最近の“公立小学校”の世間との乖離っぷり。
コレに関してはもう散々あっちこっちのブログ等で書かれてますが、大筋は

  • 5大バカの親からの直接クレームで無い以上、学校がわいわい騒ぐ事か?
  • っていうか、担任教師が「指導力不足」を新聞紙上であからさまにされるの厭さに事を大きくしたんじゃないか?
  • もっと言っちゃえば、教育委員会が騒ぐ事で却って話が大きくなり、彼らが拠って立っている「児童のプライバシーの保護」は、むしろこの騒動で脅かされる結果になってないか?

という辺りではないか、と。サイバラファンの私はなかなか公正な目でこの事象を捉える事は出来ないのですが、それでもやっぱり、「ホントに何やってるんだろうなあ教育委員会ってヤツぁ・・・」と嘆息しきりでございます。
そもそも、某巨大掲示板で「こんなにバカ男子ばっかり偏愛してて、むしろ利発な妹に対するケアは大丈夫なのか?」と心配された程に、息子を含むバカ5人をそれはそれはいとおしい視線で見つめて描いたこの漫画を読んで、目くじら立てる教師ってのが凄いなあ、と。このセンセイ方が、普段国語教育や情操教育をどのようになさっておられるのか、是非知りたい所です。どう考えても、学級崩壊を新聞紙上で晒された恥を糊塗するためにいちゃもんつけてるようにしか思えないのは、やっぱり私がサイバラスキーの公立学校嫌いだからでしょうね・・・。
しかし、ちょっとキナ臭いなあと思わずにはいられないのは、これが私の居住する東京18区の中の話、という事。
何故突然18区かと言いますと、ですね。実は、今回の選挙で、この区域には現職の武蔵野市長が自民党の候補として立つ事になったんですよ。
この方、日本一の長期政権を誇っている地元密着型の政治家さん。18区内では、隣接する市の市長選市議選にまで強い影響力を持っており、実際その隣市市長は「全面的に彼を応援する」と明言しているありさまなんですね。
ところが同時にこの18区、実は菅直人のお膝元。鳩山弟まで担ぎ出しても自民党が勝てない、磐石の民主地盤なんです。という訳で、地元密着型政治家の武蔵野市長は、実は小泉刺客の影の大本命。何せ、あまりの任期の長さに様々な弊害が出ていて毀誉褒貶のかまびすしいこの武蔵野市長が立つにあたっては、小泉総裁自らが時間を割いて説得に当たったんだそうで。
で、そんなこんなで密かに熱く燃えているのが、この東京18区なんです。
だからこそ、この時期にわざわざ「武蔵野市VSサイバラ」という構図を報道するって事実に対して、私としては何かキナ臭い感じを持たずにはいられません。市政の愚かさをあぶりだすためのネガティブキャンペーンなのか、もしくは「市民児童のためを思って下品な漫画家と戦う正しい武蔵野市教育委員会」という頓珍漢なアピールなのか・・・どっちにしても、目が離せませんな。
しかし、あの愛溢れる作品を読解できない馬鹿(バカ@サイバラとは語調も意味も全然違う)が、世の中には本当に居るんだね。手塚先生が草葉の陰で泣いてるよ。

 文化庁メディア芸術祭賞を受賞した漫画「毎日かあさん」を巡り、作者の漫画家西原(さいばら)理恵子さん(40)と東京・武蔵野市の間で論争が起きている。

 西原さんの長男(8)が通う同市立小学校が、西原さんに「学校を作品の舞台にしないでほしい」と申し入れたためだ。

 「表現の自由への圧力」と抗議する西原さんに対し、市側も「正当な教育的配慮」と譲らない。双方が文書で主張を繰り返す事態となっており、9月2日の同市議会でも取り上げられる予定だ。

 西原さんは、「ぼくんち」「恨ミシュラン」などの作品や、放映中のNHK連続テレビ小説「ファイト」のタイトル画で知られる。

 「毎日かあさん」は、武蔵野市やその周辺を連想させる街を舞台に、西原さんの長男や同年代の子ども、母親を思わせる登場人物の日常をコミカルに描いており、2002年10月から毎日新聞で週1回連載中。連載をまとめた単行本も既に2巻が毎日新聞社から発行されている。昨年、文化庁メディア芸術祭賞、今年は手塚治虫文化賞を受けた。

 問題となったのは、授業参観の場面。主人公の母親が、落ち着きのないわが子を含む児童5人を「クラスの五大バカ」と表現し、ユーモアを交えつつ、子どもの成長を見守る内容だ。

 この場面が紙面に載った直後の昨年11月、長男の担任の女性教諭(40)が西原さんを学校に呼び出し、「迷惑している」「学校を描かないでほしい」と注文をつけた。

 西原さんは翌12月、毎日新聞社の担当者と同小学校に出向き、校長らに「保護者だからといって、編集者を通さず作者を直接呼びつけるのは非常識だ」と抗議。校長らは「学校に落ち度はない」と主張したという。

 西原さんは、父母の一部から「学校とトラブルを起こすならPTA活動に参加しないでほしい」と告げられたのを機に、今年6、7月、弁護士を通じて市側に「作品はあくまでフィクション」「公権力による表現の自由の侵害ではないか」などの文書を送った。これに対し、市側は、「他の児童や保護者への配慮をお願いした」「作品中に『武蔵野市』の固有名詞もあり、児童の人権に教育的配慮を求めることは当然」などと、8月までに2回、文書で回答した。

 西原さんは「フィクション作品の内容に介入するのは納得できない。子どもを学校に預けている立場上、作品を描くこと自体をやめろと言われたに等しい」と憤る。また、毎日新聞東京本社編集局は「毎日かあさんは西原さんの経験に基づいたフィクションで、内容については人権やプライバシーに十分配慮して掲載している。学校側には納得してもらったと認識している」としている。

 一方、同市教育委員会の南條和行・教育部長は「保護者を学校に呼ぶことは珍しくない。表現の自由を侵害してはいない。学校には不特定多数の児童がおり、配慮するのは当然だと思う」と話している。